家族が認知症になったときどうするべきか

家族や親しかった高齢者が認知症かもしれないと気付いたときは、動揺してしまいますよね。家族が認知症になると、いつもの日常生活のなかに、一般的な言動とはかけ離れたことが次々に起きてきます。

例えば、認知症の傾向で特に周辺の人が初期に驚く事柄として、納得したように見えた数秒後にはまた同じことを聞くのを繰り返す(短期記憶が瞬時に消える)、すぐに怒り出す(我慢ができなくなる)、こちらが思ってもみなかった言葉で傷つけられる(妄想と現実の区別がつかなくなるので本人にとっては現実そのもの)などが挙げられます。

ですが、認知症の本人にとっては一つ一つがちゃんと自分で考えて行動した結果なのです。それを頭ごなしに怒られたり馬鹿にされたりすれば戸惑いますし、悲しくもなり、怒りが沸くのも当然のことといえます。

健常者には怖いと感じるくらいの大声を出している場合でも、「して欲しいことがあるから」「現状を改善したいから」それを聞いて欲しくて大声を出しているだけの場合もあります。子ども扱いのような猫なで声で対応する必要はありませんが(相手によっては不快感から怒り出します)、無視せずにきちんと対応してあげると落ち着いてくれるでしょう。

また、認知症の方が何かを訴えたいけど改善しないためにもどかしくて暴れてしまうと、「暴力を振るうようになった」と健常者には捉えられます。力加減のコントロールもできなくなっているため、周囲の人にとっては驚きの行動に映ることでしょう。

認知症の介護は、落ち着いて対応をしようと分かっていても感情的な負担が大きいものです。きつい時は一人で抱えずに、プロの介護人に委ねる、相談するという行動を取ることを強くおすすめします。